ゼニスブルーの交差点
「甲野君が……眩しくて。苦しいです」
「眩しくて苦しい? えぇどう受け取っていいの。俺ウザいかな」
田中さんを苦しめているつもりなく、焦りが出て彼女の前に回り込むと、田中さんは下を向いて視線を遮断する。
「ちが……そういうんじゃなくて……良くしてもらっているのに、こちらから返せるものがないのが……本当に、申し訳なくて」
「何言ってんの。友達なんだから。俺だって返せるものなんてない」
そんな言い方してほしくない。
もどかしい気持ちに駆られてしまい、俯く田中さんの頬に手を当てクイッと顎を上げると、ビックリするくらい綺麗な瞳と目が合った。