ゼニスブルーの交差点
「……そんな」
「すごく綺麗だよ」
「や……」
「魅力的な人だよ」
至近距離で笑って見せると、つばきさんも微笑み返してくれて、笑ったつばきさんの顔は本当に優しげで可愛い。
過去はどうすることもできない。でも、今つばきさんの近くにいるのは自分だから、俺はもっとつばきさんと──
ブーッブーッブーッブーッ!
突然鳴り出したのはつばきさんの鞄に入れられてスマホであり、画面を確認したつばきさんはそれは大きく目を見開いた。
「……あさなちゃん」