ゼニスブルーの交差点
声をかけたいと思うが、異様にドキドキしている。朝貴といる時に抱いたことのない感覚だった。
しかし昨日、今までみたいにと話していたし、避けたりするのはおかしな話である。
「朝貴、ちょっとここ座っていい?」
前の甲野君の椅子を引いて座ろうとすると、朝貴は私を見て穏やかに笑った。
「ご飯食べて……部活に行くの?」
「そう、美術室で食べてもいいんだけどね。画材もあるしガッツリ食べるのは違うかなって」
大きな卵焼きを切り分けていた朝貴が、首を傾げる。