ゼニスブルーの交差点





「んなこと言われたら、照れるわ」

「それを……伝えたかった」

「席まで来てくれありがと。気を付けて帰んなね」

 南浦さんについては触れられず、手を振りその場を後にする。

 断っておいて仲良くなりたいなって思うことって、残酷なのだろうか。

 今の生活で朝貴がいるのといないのでは、ぺちゃくちゃ喋っていなくてもきっと毎日が違う。

 距離感、か……。

 とりあえず、今日は帰ろう。一旦気持ちを切り替えて歩き始めると、隣のクラスを通り過ぎようとしたのだが、待っていたかのように付近に立っていた南浦さんに呼び止められてしまった。

「中滿さん、ちょっと……いい?」





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