ゼニスブルーの交差点




「……怒る?」

 ようやく話し始めた南浦さんは、気の弱そうな声音や身振りで私の反応を待っている。

「どうして怒るの?」

「私が朝貴君と花火大会行くって……嘘ついたから」

 あぁ、やっぱりあれって南浦さんの嘘だったんだ。

「怒ってないかな。なんであぁ言ったのか……っていうのは考えてたけどね」

 いつもの調子で言うと感じが悪いため、できるだけ落ち着いた口調で返事をする。

「朝貴君を花火大会に誘って……断られたの。言えないだろうけれど、女の子で誘いたい人がいるって言われて……好きな人がいることを確信して」




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