ゼニスブルーの交差点
目立たぬ声量だったが周りに聞こえていたようで、途端に全身が震え立つような恥ずかしさを覚え、朝貴の腕を引っ張るとズンズン早足で入口に引き返す。
でも……好きだと言った私以上に、好きを返してくれた朝貴の気持ちが痛い程伝わってきて、心がジンと熱くなる。
二人で暗幕カーテンを出ると一気に明るく視界が開けて、朝貴の顔を見ると目元が真っ赤になっていた。目の端にまだ涙が滲んでいる。
「……見るなよ、恥ずかしいな」
「……泣いて好きって言われると思ってなかった」