ゼニスブルーの交差点
「あさな、今日言おうって決めてくれてたの?」
「……ううん、さっき好きって確信して、それで伝えた」
「伝えるのめっちゃ早いな」
「ダメだった? 取り消そうか」
「いえ……大変嬉しいです」
朝貴のこと、好きなのかなってゆらゆらしている気持ちはずっとあったが、今日改めてそうなんだと実感した。いきなりポッと好きになったわけじゃないことを伝えると、朝貴はやっぱり笑顔を見せる。
「嬉しい。にやけそう」
「……もうにやけてる。ほら、電車もあるし急ぐよ」
名残惜しくゆっくりゆっくり歩いていたことを改め、手を繋いだまま小走りで駅に到着し、一分後に出発する特急電車に飛び乗った。