ゼニスブルーの交差点





 念押しをしながら階段を登り、一緒に教室に入る。先週までただの教室だったのに、今日は部屋の中がパッと明るいような気がした。

 着いた途端に、想像していた血の気が引くようなことが起きなくて良かった。

 あさなは極普通に話をしていたが、気持ち……通じてるんだよな。不思議な感覚である。

「朝貴、おはよう」

 週明けなのに、本日も爽やかに笑って振り返った翠は、金曜日どうだった? と小声で尋ねてきた。

 鞄の荷物を立って片付けながらも、その話題を持ち出されてはふわふわしてしまう。

「中滿さんから誘ってもらえたって、朝貴なるべく気持ちを抑えて言ってたけどさ、喜びが全身から漏れてたよね」




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