ゼニスブルーの交差点
ニコニコ嬉しそうな翠に、自分も適度な笑顔を返したつもりだったのだが、翠は暫くじーっと真顔で俺を見ていると、突然目を見開いた。
「えっ!?!?!?」
聞いたことのないような大声を出した翠は、力強く自分の掌で口を覆う。
「え……何、え? 朝貴……もしかして」
本人もあまりの声の大きなにビックリしたようで、翠は俺の腕をきつくを引っ張って椅子に座らせる。
「ちょっと待って……そういう、ことだよね?」
「嬉しいけど……人に言うのって恥ずかしいな」
「やっぱり、そういうことだよね?」
「……うん」
カァッと頬が熱を発し照れていると、ガッと腰を浮かせた翠が覆い被さるように抱き着いてきたではないか。