ゼニスブルーの交差点




 ギュゥゥゥゥッと細い田中なら骨が折れてしまうような力が込められて、思わず苦しくなる。

「翠君何あれ……あぁいう趣味もあるの」

「うわー合原君と……なんか見たくない」

 近くにいる女子が怪訝そうに囁き始めたのを見てしまい、力づくで離れる。

「はぁ……やめろよ。……嬉しいけどさ」

「だって……嬉しいじゃん。嬉しいよ。いやぁ良かった」

 再び囁く翠から洗剤の良い香りがして、端正な笑顔をくしゃっと崩して目を細めている。

「朝貴、良かったなぁ。お前がどれだけ……どれ、だけ中滿さんのことを好きなのか知ってたのに、途中から強がって相談もしてくれないから……」





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