高校卒業祝いに俺のファーストキスをもらってほしい!?~年下のイケメン幼なじみからお願いされた件~
―おまけの話~side拓斗~―


―おまけの話~side拓斗~―



隣に住んでいるさゆねえは、小さな頃から俺がずっと片思いしている人。


自分より周りの人を大切にするさゆねえ。


まだ幼い頃、吠えてくる近所の犬から庇ってくれたのをよく覚えている。


自分だって怖いくせに、それを必死に隠してぶるぶる震えながら俺を守ろうとしていた。


いつか俺がさゆねえを守ってあげたい。


その思いが俺の、すべての原動力だった。


勉強も運動も、さゆねえが褒めてくれるから努力するのが楽しい。


さゆねえに褒められるのが嬉しくて頑張っていたら、不思議と女性から好きだと告白されることが多くなった。


でも俺の事を好きだと言ってくれるのは、いつも他の女の子で。


さゆねえは、異性として俺を見てくれない。


同じクラスの男友達の話とか、平気でしてくる。


その中には恋愛に発展しそうな話もあったから、その時は気付かれないように誘導して恋の芽をさりげなく摘んでおいた。
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