高校卒業祝いに俺のファーストキスをもらってほしい!?~年下のイケメン幼なじみからお願いされた件~
――その後の話~春休み~――
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
――その後の話~春休み~――
「どうしたの、拓斗」
両親が出かけている時に玄関のベルが鳴り、誰かと思ったら拓斗だった。
この春大学に入学する拓斗と親公認で一緒に暮らすことが決まっているけれど、引越しは一週間後。
今日は特に会う約束なんてしていない。
「さゆきのご両親がうちの親と一緒に温泉へ行ってるだろ、その間さゆきの様子見てほしいって頼まれてて」
くぅぅ、うちの親は私よりも拓斗の事を全面的に信頼してる。
まぁ確かに拓斗は頼りになるけど。
でも今日は、私ひとりでしたい事があったのに……っ。
「あれ、なんか甘い匂いがするけど?」
さすがに気付くか……。
玄関まで漂う、チョコレートの匂い。
「おじゃまします」
「わぁああ、拓斗、ちょっと待って」
靴を脱ぎダイニングキッチンへ向かう拓斗のあとを、慌てて追いかけた。
キッチンには溶けたチョコの入ったボウルやケーキの焼き型など、お菓子作りの材料と道具が並んでいる。
「……拓斗にプレゼントしようと思ってガトーショコラを作ってたの。ホワイトデーに拓斗はいろいろ用意してくれたけど、私はバレンタインの時お父さんへあげたのと同じクッキーだけだったでしょ」
俯いて、言い訳するように呟く事しかできなかった。
「でも出来上がりがカチコチで、どうしても上手くいかなくて。やり直そうとしてたところ」
「ありがとう、さゆき。失敗しててもいいよ、食べたいから頂戴」
いつもそう、拓斗は私が失敗しても優しい。
ほんと私に甘すぎると思う。
「ごめんね、もう無いの」
「え? 全部ないの?」
「うん、全部ないの。自分で食べちゃった」
拓斗が私の隣にきて、チョコレートの入ったボウルを指さした。
「舐めていい?」
「そうだね、むしろそのまま舐めた方が美味しいかも、いいよ……ひゃぁっ!?」
拓斗の腕が私の腰にまわされる。
そして少しかがんだと思ったら、私の首をレロ……と舐めた。
身体の奥がゾクリと疼く。
「本当だ、蕩けそうなくらい甘くて美味しい」
「な、な、な……ッ」
舐めた!?って大きな声を出したいのに喉が詰まったみたいに言葉が出てこない。
「もっと、舐めたい」
拓斗ってば私の耳元で、甘い色気を感じさせる声で囁かないで。
しかも年下なのに程よく低い大人の声、妙にドキドキしてしまう。
「な、舐めるってチョコのことじゃないの?」
「俺はそんなこと言ってないよ。舐めていい?って聞いただけ」
「た、確かにそうだけど……ッ」
拓斗が悪戯っぽい笑みを浮かべた。
イケメンは、そんな表情でもかっこいいからズルいと思う。
そんな事を考えていたら、シャツの裾の腰のところから背中に向かって拓斗の手が差し込まれ、プツン、とブラのホックが外された。
「服の上からだけで我慢するから、舐めてもいい?」
拓斗の甘い囁きに、思わず身体がビクッと震えてしまう。
「まだキスもしてないのに、いきなりそんなのハードルが高すぎるよ……」
ゴフッごふッ、と拓斗が急にむせ始めた。
「拓斗……?」
「なんか今のだと、キスしたらいいよって聞こえて可愛すぎるんだけど……」
「ぇ、ぇ、そう聞こえるのっ!?」
「そう聞こえる。大好きだよ、さゆき」
ちゅ、と拓斗の唇が私の唇に優しく触れた。
【完】
※最後まで読んでくださり、ありがとうございました♪
――その後の話~春休み~――
「どうしたの、拓斗」
両親が出かけている時に玄関のベルが鳴り、誰かと思ったら拓斗だった。
この春大学に入学する拓斗と親公認で一緒に暮らすことが決まっているけれど、引越しは一週間後。
今日は特に会う約束なんてしていない。
「さゆきのご両親がうちの親と一緒に温泉へ行ってるだろ、その間さゆきの様子見てほしいって頼まれてて」
くぅぅ、うちの親は私よりも拓斗の事を全面的に信頼してる。
まぁ確かに拓斗は頼りになるけど。
でも今日は、私ひとりでしたい事があったのに……っ。
「あれ、なんか甘い匂いがするけど?」
さすがに気付くか……。
玄関まで漂う、チョコレートの匂い。
「おじゃまします」
「わぁああ、拓斗、ちょっと待って」
靴を脱ぎダイニングキッチンへ向かう拓斗のあとを、慌てて追いかけた。
キッチンには溶けたチョコの入ったボウルやケーキの焼き型など、お菓子作りの材料と道具が並んでいる。
「……拓斗にプレゼントしようと思ってガトーショコラを作ってたの。ホワイトデーに拓斗はいろいろ用意してくれたけど、私はバレンタインの時お父さんへあげたのと同じクッキーだけだったでしょ」
俯いて、言い訳するように呟く事しかできなかった。
「でも出来上がりがカチコチで、どうしても上手くいかなくて。やり直そうとしてたところ」
「ありがとう、さゆき。失敗しててもいいよ、食べたいから頂戴」
いつもそう、拓斗は私が失敗しても優しい。
ほんと私に甘すぎると思う。
「ごめんね、もう無いの」
「え? 全部ないの?」
「うん、全部ないの。自分で食べちゃった」
拓斗が私の隣にきて、チョコレートの入ったボウルを指さした。
「舐めていい?」
「そうだね、むしろそのまま舐めた方が美味しいかも、いいよ……ひゃぁっ!?」
拓斗の腕が私の腰にまわされる。
そして少しかがんだと思ったら、私の首をレロ……と舐めた。
身体の奥がゾクリと疼く。
「本当だ、蕩けそうなくらい甘くて美味しい」
「な、な、な……ッ」
舐めた!?って大きな声を出したいのに喉が詰まったみたいに言葉が出てこない。
「もっと、舐めたい」
拓斗ってば私の耳元で、甘い色気を感じさせる声で囁かないで。
しかも年下なのに程よく低い大人の声、妙にドキドキしてしまう。
「な、舐めるってチョコのことじゃないの?」
「俺はそんなこと言ってないよ。舐めていい?って聞いただけ」
「た、確かにそうだけど……ッ」
拓斗が悪戯っぽい笑みを浮かべた。
イケメンは、そんな表情でもかっこいいからズルいと思う。
そんな事を考えていたら、シャツの裾の腰のところから背中に向かって拓斗の手が差し込まれ、プツン、とブラのホックが外された。
「服の上からだけで我慢するから、舐めてもいい?」
拓斗の甘い囁きに、思わず身体がビクッと震えてしまう。
「まだキスもしてないのに、いきなりそんなのハードルが高すぎるよ……」
ゴフッごふッ、と拓斗が急にむせ始めた。
「拓斗……?」
「なんか今のだと、キスしたらいいよって聞こえて可愛すぎるんだけど……」
「ぇ、ぇ、そう聞こえるのっ!?」
「そう聞こえる。大好きだよ、さゆき」
ちゅ、と拓斗の唇が私の唇に優しく触れた。
【完】
※最後まで読んでくださり、ありがとうございました♪