彼氏がヒミツにする理由
「ていうか、行ったことあるんだよね?」
さすがに心配になったのか、友だちの1人が不安をこぼした。
店の場所を知っているのはナビ担当の子だけ。
わたしたちは信じてついていくしかない。
「あるよ。花園さんがこのへん庭らしくて、クラスの女子何人かで来たの」
「庭って……。さすがギャルは違うね」
「花園さんギャルじゃないでしょ」
「ダンス部はみんなギャルだよ」
花園さんはダンス部所属の女の子。
学年でも有名なグループに所属していて、気さくな人柄で人を寄せつけると言われている。
友だちや部活仲間は派手な子が多いけれど、彼女自身は清楚な美人さんだ。
「ちょーちょっ、ちょっ、ちょっ!」
突然、友だちが声を上げて立ち止まった。
興奮でなにが言いたいのかわからなくて。
「あれ!」
と指差す先をみんなで追う。
えっ……。