彼氏がヒミツにする理由

それに対する夏見くんの反応は……。

もし口にコーヒーを含んでいたら、ギャグ漫画のように吹き出していたんじゃないかってくらい驚いている。



「え!?」

「昨日……7時くらいだったかな。繁華街で花園さんと一緒にいるところを見かけて……」

「昨日?繁華街……」


夏見くんは少し考える素振り見せたあと、あっ!と閃いたように口と目を開いた。


「あのときか。……待って。つき合ってないから」



それは夏見くんにしては大きな声で。

マスターと常連客のサラリーマンがこっちを見た。



「2人つき合ってなかったの?」


サラリーマンが言う。



「いえつき合ってます。ごめんなさい」


夏見くんが慌てて訂正すれば、2人は安心したように話に戻った。



「つき合ってないの?」


と、わたしたちの話はわたしが戻す。



「つき合ってないよ。だって俺、吉葉さんとつき合って……るんだよね?」

「……うん?」


なんで疑問系?


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