彼氏がヒミツにする理由
「そんなこと聞かれると思ってなくて自信なくなってきたんだけど。俺は吉葉さんとつき合ってるよ」
「うん。でも、どうしてつき合ってるのを秘密にするのかなって思ってて……。後ろめたいことがあるのかなってずっと考えてたの」
「俺が吉葉さん以外の人とつき合ってるじゃないかって?」
こくり頷いた。
すると、「はぁ〜〜〜」と盛大なため息を吐いた夏見くん。
「ごめん、そうだよね。俺が悪かった」
反省の色を見せる。
夏見くんが悪いわけじゃないんだけど……。
「最初からちゃんと説明する。……だけど、これだけは先に言わせて。俺が好きなのは吉葉さんだけだから」
まっすぐな目を向けられた。
その目に、その言葉に、ドキッとする。
そういえば……夏見くんに好きって言われたの、初めてかもしれない。
「俺と花園さんは、義兄妹なんだ」
「ぎ、きょうだい……?」
「うん。夏ぐらいに俺の母親と花園さんの父親が再婚して、兄妹になった」