極上タラシオトコの本気を引き出す方法
「そこに家建てたら、いつでも葛城の家に行けていいですね。
特に子供が産まれて、僕が忙しくてなかなか手伝えないとき安心だな」
そんな心にもないことをツラツラと言えるようになったのはいつからだったか。
広瀬家に生まれて勉強ばかりさせられるようになったときか、
将来の夢を思い描く間もなく医者という選択をさせられたときか、
整形外科医じゃなく、外科医という選択をさせられたときか…。
もう忘れたけど、俺の人生の大きな選択は全部他人だったな。
次の大きな選択の結婚もそうなるんだろう。
今目の前にいる美紀さんも悪い人じゃない。
お嬢様だから周りに気を配るとか、相手を優先するとか、そういう所はあまり感じられないけど、人柄は大切に育ててこられた暖かい人だ。