極上タラシオトコの本気を引き出す方法
私の隣で議論を繰り返すふたりの話をぼんやり聞きながら、やっぱり住む世界が違うなぁなんて今更の感想を持ってしまう。
「まぁでも最近忙しかったし、なかなか女性に費やす時間がなかったかな。
アイツ、今日は誰か持ち帰るかもな」
ぼんやり広瀬先生の様子を見ていたのに、平山先生の声が急に鮮明に聞こえて、その言葉を頭で急に理解する。
「え?広瀬先生って、そういうことする人なんですか?!」
私の疑問をよくぞ聞いてくれた、と思うほど紗耶の反応が速くて感心するけれど、そんな穏やかな感情でいられるほど、平和な話題ではない。
「あれ?オペ室ではあんま有名な話じゃない?
広瀬先生が二次会に来たら、だいたい誰かはお持ち帰りになるんだよ。
まぁ正確には、持って帰らせられるって感じかな?
女性も結構酔ってきたら広瀬先生から離れなくなったりしてさ、だからあんま広瀬先生は二次会に参加しないんだけど。
知らなかった??」
平山先生の顔が私の方に向いてそう言ったから、慌てて、
「そんなこと全然知らなかったです〜!」
なんて一応笑顔で答えるけど、全然そんな気分じゃない。