極上タラシオトコの本気を引き出す方法



そんな時、広瀬先生の携帯が鳴って、「すみません」と外に出ていった。



テーブルはみんな酔ってきて盛り上がっていて、私が抜けてもたぶんそんなに気付かれないはず。
チャンスは今しかない。
そう思って紗耶を見ると、アイコンタクトで行っておいでと合図されたような気がした。


隣の早川先生には、「ちょっと、お手洗い行ってきますね」と一声かけて、私は広瀬先生を追った。




「………えぇ、もうすぐ帰ります。
迎えは大丈夫です。まだ少し冷えるし、暖かい格好して待っててください。すみません」



そんな言葉が聞こえてくる。



きっと婚約者さんからの電話だったんだろうな。

もう一緒に住んでるの…?
じゃあもう、本当に結婚までもうちょっとなんだ。



そんなことを思ってぼーっとしていると、


「莉子……どした?」


と広瀬先生に声をかけられた。




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