極上タラシオトコの本気を引き出す方法
まだ『莉子』と呼んでくれたことだけでも、私の心臓は音を立てて、すごく嬉しく感じる。
「あ、いや。
なにも言ってなかったので、頑張ってください、くらい言いたくて」
私の言葉に「そっか、ありがとう」と広瀬先生は少し微笑んだ
その後の言葉がなかなか出てこなくて、広瀬先生は「戻るか?」とお店に入ろうとしたから、私は咄嗟に広瀬先生の腕を掴んだ
「ネックレス、ありがとうございました」
腕を掴んだままそう言うと広瀬先生は少し驚いた様子だったけれど、
「俺からだってバレたか。
あれはネクタイのお返しだから。
俺からもらったとかあんまり思わず気軽に付けてくれたらいい
たぶん、というか絶対莉子に似合うだろうし」
そう言ってくれた。
その言葉を聞いて、私はやっぱり今日、ネックレス付けて来たらよかった。
最後に、つけてる姿見せたかったな。なんて思ってしまう。