極上タラシオトコの本気を引き出す方法




「ほんとに嬉しかったです


ご実家の病院に行くって聞いて、いよいよ跡継ぎの道なんだなって。


無理はせず、自分の気持ちも大事に頑張ってくださいね」




私のその言葉に広瀬先生は少し笑ったあと、私の頭をぽんぽんと撫でてくれた。


「そういう俺を理解した発言、懐かしいな

莉子と過ごした時間を思い出す」



「…私も。

……私、本当に、広瀬先生に出会えて、よかったです」



それだけの言葉なのに、急に気持ちが込み上げてきて、私は泣きそうになった。



「俺もそう思ってる。ありがとうな」



そして、きっと私が涙ぐんでいるのを見て慰めようとしたのか、広瀬先生は私の後頭部に手を伸ばしてきた。



抱き寄せられる…


そう思った瞬間に、


「遠藤さん、ここにいたんだ!探した」


と早川先生の声が聞こえた。




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