極上タラシオトコの本気を引き出す方法
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「メス」
「はい。」
あれから1週間。
年を越して、仕事はじめの今日。
私は肝胆膵のオペの器械出しについていた。
今日の執刀は平山先生で、広瀬先生は第1助手。
年末年始は運良く緊急オペの当番も当たっていなかったから、ゆっくり出来たけど、毎日毎日、広瀬先生からの連絡が無いかと携帯を気にしていた。
でも、広瀬先生から特に連絡があったわけじゃなかった。
結構期待してしまっていたから、ちょっとショックでやっぱりあの時の気分で私の連絡先聞いたのかな?なんてマイナス思考に陥ってしまう。
どんな気持ちなのかな?
というか、もう連絡先交換したの忘れてる…?
結局あの忘年会のあとも広瀬先生が誰かを持ち帰ったという噂もなく仕事を納めたから実際に先生の女性関係についてはまだわからない。
だめだめ。術中にこんなこと考えちゃ…。
集中しよう。
そう自分に言い聞かせていると、「セッシ」と広瀬先生が私の方に手を出した。
セッシを渡して広瀬先生の方を見ると、無影灯が灯る下で真剣に患者と向き合う姿がやっぱりかっこいい。
伏し目にルーペを付けている姿も素敵だし、
器用に組織を持ち上げたり、少し考え事をして眉間に皺を寄せたり、、、
意識してみると、ひとつひとつの表情が色っぽくて、表情が変わる度に私はいちいちドキドキする。