極上タラシオトコの本気を引き出す方法
でもそんな俺のやましい気持ちを神様は許すわけがない。
すぐに早川先生に現実に引き戻されて、俺は消化不良のまま桜川総合病院を去った。
それから莉子のことはもう忘れよう。
きっともう早川先生と幸せになってる。
そう自分に言い聞かせて、俺は仕事に精を出した。
考える暇を無くすためにどんどん働いて、勉強して、学会のための研究をして。
とことん仕事に突き詰めていると、そんな俺の様子を見て、結婚はまた仕事が落ち着いてからにしようと話が出た。
よかった、とりあえず結婚までの猶予は出来た。
そう思った頃、井口から早川先生と莉子が付き合い始めたことを聞かされた。
正直、そこからはあまり仕事が手につかなかった。
俺が医者人生でしたことも無いようなミスをしたり、勉強しても頭に入らなかったり、
しまいには熱を出したりして、もう散々な結果。
恋愛ってこんなに人をダメにすんのかよ。
ていうか、女ひとりにこんなになる俺、めっちゃカッコ悪いな。
なんて自分で情けなくなった。