極上タラシオトコの本気を引き出す方法
それからも、少しでも手があけば無意識に視線が広瀬先生を向いていて、集中集中!と思ってもなかなか仕事モードに戻れない。
自分を叱咤しながら気を引き締め直して、器械出ししていると、手術が終わって、患者さんが手術室から退室した。
肝胆膵チームの先生も「お疲れ様でした〜」と言いながら医局へ戻る。
笠原先生や平山先生と笑い合いながら更衣室へ向かう広瀬先生に見とれながらも特に話しかけられることもなく終わってしまった。
「遠藤ちゃん、お疲れ様!
やっぱり年明け肝胆膵は疲れるね〜」
「そうですよね〜。でもこれで休みボケから一気に仕事モードに戻れた気がします!」
「さすが、前向きだね〜!そういうとこ遠藤ちゃん尊敬する」
「いやいやいや!前向きに考えなきゃ自分が疲れちゃうんで」
一緒に今日のオペを外回り看護師として担当していた先輩とそんな会話をしながら部屋の片付けをする。
先輩と話しながらも私の頭の中は広瀬先生のことでいっぱいだった。
はぁ〜。広瀬先生、やっぱりカッコよかったなぁ。
結局今日もいつもと変わらず、なんの話もできなかった。
やっぱりあの忘年会の出来事はもう、忘れた方がいいのかも。
そんなことを思いながらもやっぱり広瀬先生の事が頭から離れないまま、仕事が終わり、更衣室で私服に着替えた。