極上タラシオトコの本気を引き出す方法
研修医時代からその人気は明らかだったそうで、今でも病棟ではもちろん、私が勤務しているオペ室でも話題の中心にいる人物だ。
そんな彼とは対照的に、私、遠藤 莉子、26歳は普通の家に生まれ、平均的な成績に、平凡な顔立ち。
世の女性の平均点は私だと言っても過言ではないほど普通。
女の子は愛嬌が大事だっていう母の教えを守って、笑顔だけは忘れないようにって心がけているから、きっと周りからの私の印象は、〈いい子〉という、ありふれた評価。
特別特技もないし、これといった長所はなく、あえて言うとしたら厳しい現場のオペ室の看護師として5年間も勤め続けれていることくらいだろうか。
そんな私がどうして、こんな物語のヒーローみたいな彼とこんな関係になっているのか、未だに私も分からない。