極上タラシオトコの本気を引き出す方法
「俺はむしろ堂々と横に立って歩きたいくらいだけど、遠藤さんをそんな気持ちにさせちゃってるなら、俺の配慮が足りなかったな。
ごめん」
そう言ってまた私の心をドキドキとときめかせる広瀬先生は、そんな自覚はないらしい。
当たり前のようにサラッと言い放つ姿はナチュラルで余計に素敵だなぁと思ってしまう。
うーん、と考えたあと
「キャンセルしてもいいけど、個室を用意してもらってるし、遠藤さんがよかったら入らない?
もちろん、無理にとは言わないけど」
と遠慮がちに私にそう聞いてくれた。
きっと、個室を用意してくれたのも広瀬先生の気配りのうちのひとつだ。
それに、きっと私がお肉が好きだって言ったからそれを元にわざわざ探してくれたお店だろう。
それにキャンセルなんてもったいない!
「ごめんなさい。こんな素敵なお店に入ったことなくて、ちょっと躊躇しちゃいました!
広瀬先生がそう言ってくださるならぜひ、きっと素敵な料理なんでしょうし!
楽しみになってきました!」