極上タラシオトコの本気を引き出す方法
そうは言われてもノンアルの広瀬先生を前にして飲める訳もなく、お茶で食事を楽しむことにした。
ゆっくり出てくるコース料理はどれも色鮮やかで大きなお皿にちょこっと上品に盛りつけされてある。こんないいお店来たことないから、やっぱり緊張する...。
それに、広瀬先生といることもあって、さらにガチガチに緊張して、ひと口ひと口これでもかと言うほど噛んで食べた。
だけど、こんな精神状態じゃ、あんまり味は分からないのが事実。
そんな状態で、最初は全然打ち解けられなくてぽつりぽつりとしか会話が生まれなかったけれど、料理が進んでいくうちに色々な話ができた。
中盤からは時間がすごく早く経って、もう私の前には綺麗に盛り付けられたムースとアイスがあった。
「やっぱり井口のオススメにはハズレなしだな」
「井口先生ってグルメな方なんですね」
「グルメって言うよりは、デート慣れ?」
「へぇ!まぁでも、モテそうですよね。
背高くてイケメンだし、面白いし」
確かに確かに。納得しながら頷いていると、広瀬先生の表情が少し曇った。
「ふーん。井口のことそんな風に思ってんだ。なんか妬けるな。」