極上タラシオトコの本気を引き出す方法
「へっ?あ、えっと、もちろん広瀬先生のことも素敵だと思ってますよ?!」
「まぁいいけどさ。でも井口ってすごい楽しそうに働いてるよな。
あーいうの見たら、俺が整形外科行ってたらどうなってんだろうなとか考えさせられるわ」
少し苦笑いしながらそういう広瀬先生はなんとなく寂しそうに見えた。
「広瀬先生にどんな思いがあったのか、私は知らないので失礼なこと言ってたら申し訳ないんですが...」
私がそう切り出すと、「ん?」と興味深そうに広瀬先生は体を私の方へ乗り出した。
「私は、広瀬先生にとって、肝胆膵外科は天職なんじゃないかなって思います。
手術が上手なのはもちろんですけど、広瀬先生ってちゃんと患者さんの思いに寄り添えるじゃないですか。
距離感とか、気持ちとか、そういうのちゃんと大事にしてるの分かりますし、予後があまり思わしくないことも多い肝胆膵外科にとって、広瀬先生みたいな存在ってすごい大事だと思うんです。
なかなか先生みたいに何気なくできる人はいないですから。」