【短】甘いチョコにとびきりの愛を込めて。


°



「……はい、タオルとドライヤーあるからしっかり拭いて!」



保健室の先生に妃野が事情を話してくれて、すぐにタオルを持ってきてくれた。



「ありがとうございます」



室内は暖かくて救われる。

足もとの暖房も用意してくれたから、少しだけマシになった。



「戸松くん。着替え……体育着は持ってるかしら?」



保健室の先生がドライヤーで背中を乾かしてくれながら聞いてきた。

たしか、今日の午後に体育の授業があったな。



「教室にあります」

「わたし、持ってきます!」



俺が答えると、すぐに妃野が立ち上がった。


え……? 妃野が?

人のロッカー開けるの抵抗あるだろ。



「大丈夫。制服が乾けばなんとかなる」

「今の制服のままだと風邪引いちゃうよ! 先生も言ってくれてるし、わたしも着替えてほしい……」

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