【短】甘いチョコにとびきりの愛を込めて。
「う、うん……」
驚かせるつもりはなかった。
嫌がられたのなら、気をつけよう。
「と、とってくるね!」
クルッと体の向きを変えて、妃野は保健室を出た。
逃げるように出て行ったのは気のせい……か?
「ふふっ。青春ね〜」
先生はなぜかニコニコ嬉しそうに笑う。
「そう……ですかね」
妃野がお人好しなだけだと思うけど。
こんなの、青春でもなんでもないだろ。
このときはそう思っていた。
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「戸松くん、お待たせ……!」
少しして妃野が戻ってきた。
息を整えながら「はい!」と袋に入った体育着を俺に渡してくれる。
走って取りに行ってくれた?