【短】甘いチョコにとびきりの愛を込めて。
「ありがとう、妃野」
「いえ……!」
妃野は任務を達成できて喜んでいるみたいに純粋に笑った。
「妃野さん、ありがとね。戸松くんはここのベッドのカーテン使っていいから、着替えちゃいなさい」
「はい」
「じゃあ、わたしは化学室に行ってるね。ちゃんと体を温めてゆっくり休んでね!」
「おう」
妃野はまたニコッと笑って、「失礼しましたー」と元気に挨拶をしてから保健室をあとにした。
俺のためにやってくれてることなのに、よくずっと笑顔でいられるな。
……俺のため?
別にそういうわけじゃないだろ。
体育着を渡してくれたときにすごい満足そうだったから、妃野の中でも罪悪感は晴れただろうし。
これでお互い様ってことで———。
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体育着に着替えて化学室に向かった。
そのまま途中参加して授業を受けられたが、放課後に近づくにつれて頭と喉が痛くなってきた。
あー、これ、やばいな。