【短】甘いチョコにとびきりの愛を込めて。
俺の部屋に入ってきたのは妃野だった。
驚きで瞬きさえも忘れてしまう。
「いきなりごめんね。戸松くんが心配で……」
休んでいる間、俺のこと気にかけてくれてたのか?
昨日で終わったと思ってた。
罪悪感……とかじゃないよな。
「……別に。けど、風邪移るぞ」
「それは大丈夫! わたしが迷惑かけて、戸松くんが苦しい思いしてるから……」
やっぱり、まだ引きずってるのか。
「迷惑はかかってない。俺の体が動いて、こうなったから」
それで妃野に何かしてほしいとか思ってない。
けど、妃野の罪悪感が看病で消えるなら、少しくらい……いいか。
「わかったよ。とりあえず、こっちおいで」
「うん……!」
嬉しそうな顔をして、小走りで近づいた妃野。
招くとやってくるところが小動物みたいに見えた。
……いや、どんな目で見てんだよ。
熱のせいか、思考もおかしくなってる。
「あ、あの」