【短】甘いチョコにとびきりの愛を込めて。
「いや。なんでもない」
そんなに重要なことじゃなかったかな?
「俺はそろそろ行くよ。また明日な、愛華」
「うん。また明日!」
戸松くんは軽く手を振って、その場をあとにした。
……今、わたしのこと名前で呼ばなかった?
しかも呼び捨て!
女の子と仲良くしてるところはあんまり見かけないから、意外すぎてびっくりした……。
「もしかして……バレンタインの人?」
「う……」
大河に気づかれて、胸が跳ねた。
わたし、わかりやすかった……?
「あれは……。うん、姉ちゃんからチョコもらったら、めちゃくちゃ喜ぶと思う」