君が生まれ変わっても
実際、大家さんに言った内容に嘘は無い。もう、いつ現世に戻れるのか分からない今となっては住む場所は今日にでも見つけなければならないし、金も僅かしか持っていないのも確かだった。
「ええと、伊東…………」
「遥人です!『伊東 遥人!」
「そう、そう、伊東遥人君でしたね?とりあえず立ち話も何だから、お上がりになったら?中でお話を伺いましょう」
「えっ?話を訊いてくれるんですか?」
「だって、その為に来たんでしょ?君は」
最悪、門前払いも覚悟したけれど………この大家さん、思った以上にいい人みたいだ。
家に上げてもらうと、大家さんは僕にお茶を出してくれた後に話し始めた。
「私がコーポ白石の大家をしています、白石 美穂と言います……どうぞ宜しく」
「伊東 遥人と言います、よろしくお願いします!」
「本当なら、こういうやり取りは全て不動産会社にお任せしているんだけど………伊東君、なんだか君【訳アリ】みたいだから………」
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