君が生まれ変わっても
「そりゃ、出来る事なら俺が………って気持ちはあるさ。だけど詩織はもう俺の手の届かない所に逝ってしまったんだ………だったら誰でも詩織を幸せに出来る人に託すしかないよ………」


そう呟く僕の顔を、牧村は神妙な顔で暫く見つめていた。そして、納得したように頷いた。


「うん、お前は完全に立ち直ったよ!もう大丈夫だ」


『ありがとう、お前のおかげだよ』と言いたかったけど、さすがにそれは照れ臭くて言えなかった。かわりに毎朝鏡の前で練習する『とびきりの笑顔』を牧村に返した。


「それで、その『異世界』がどうしたって?」



「そう、そう、ここからが本題!この間、ネットで興味深い記事を見つけてさ………」


「興味深い記事?」



牧村は再び神妙な顔を作ると、まるで怪談話でもする様にボソリ、ボソリ、と語り始めた。



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