私が彼の笑顔を見るまで

クラスメイト

椿視点

　今日は、高等部から新たに入った外部生や特待生がいる為、クラス内で自己紹介をするらしい。
　正直、面倒くさい。タカハシが毎朝名簿を見て名前を呼ぶんだから、わざわざ自己紹介する必要性が分からない。ぶっちゃけ、サボりたかったが、新学期早々サボると悪目立ちする気がするし、一応、特進クラスにいるわけだから、変に悪目立ちするつもりはない。まぁ……、限界がきたら、単位ギリギリを見てサボると思うけど。中等部の時は、結構サボッていて、屋上や図書館で過ごしていたり、学園外に遊びに行っていたから、サボり癖は無くならないと思う。
　僕は、顔と名前を一度認識したら忘れる事はないから、長く学園にいる生徒の顔と名前は同学年なら全員一致しているし、上の学年もそこそこ顔と名前を知っている人達がいる。今年は外部生と特待生の数も合わせて20名程らしいから、すぐに顔と名前は一致する気がする。
　この学園、ムダにイベントが多かったり、クラス合同授業が多いから、色々な人達と顔を合わせる事になる、大変面倒くさい学園なのである。本当、出来るならこんな学園辞めて、別の学校に行きたかったが、僕にその選択肢は存在しない。その代わり、僕が限度内であれば、サボっていようが何をしてようがお咎めは一切無い。