私が彼の笑顔を見るまで
 「一条様ーーーーー!!!!」
 クソうるさい声が教室中に響き渡った。
 「……うるさい、烏丸(からすま)」
 このうるさい声の正体は、烏丸稜真(からすまりょうま)。コイツは僕が学園外で友だちが出来た時、その人達があるグループ(暴走族的なモノ)を作っていて、そのグループにいた1人が烏丸だった。この男、とてもうるさくて馬鹿オーラ全開なのだが、親が金持ちで、幼少期に勉強のやり方を叩き込まれていたらしく、僕の友だちの命令で中等部から僕の学園に外部生として入学してきた。僕の友だちも僕の学園とは別の全寮制の男子校(そこは僕の学園より偏差値が高く、知名度も高い)に通っていて、実は僕はそこに行きたかった。で、烏丸は初等部はそこの男子校にいたから、中等部でうちの学園に来る事は簡単だった。ただし、偏差値が下がるので普通の親なら了承しないところなのだが、烏丸の親は、僕が烏丸の家に遊びに行ったというか、成り行きで烏丸の家に行った時、僕を見て気に入ったらしく、烏丸の親は烏丸の編入を快く了承したらしい。
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