私が彼の笑顔を見るまで
 ちょっと良く分からない。
 僕が話すのは、この学園では烏丸以外に存在しない。
 他の人には話しかけられても、基本無視だし、本当に必要な会話以外声を出す事すら面倒くさい。
 学園の教師達も僕の事は、腫れ物扱いだから、授業中に当てられる事すら、本当に数回位しかない。
 まぁ、タカハシだけは例外するけど。コイツは、僕が初等部の時から僕達の学年の教師としているけど、どんな時でも忖度された記憶は無い。タカハシの授業を受ける事になった回数が少ないという事もあるけど。
 烏丸は、タカハシからもうるさいと怒られていた。それから、僕の事で何か言われていたようだが、いつもの馬鹿面とは打って変わって、真面目な顔をして、何かを話していた。僕が聞き取れたのは、烏丸がタカハシを冷ややかな目で見ながらこう言ってきた事だ。
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