私が彼の笑顔を見るまで
 「……俺は一条様が常にこのようなお顔をされていない事は知っていますが、タカハシ先生に協力?するつもりは一切有りません。……俺は所詮、一条様の友人枠ではなく、知り合い以上友人未満の枠なので。後、一条様に友だちはいらっしゃいます。一条様に負けず劣らずの大変魅力的な方々ですし、この学園の人間とは比べ物にならない存在ですよ。……御実家の財力も、人間性も、桁違いです。……俺だって、烏丸の人間ですよ?先生が烏丸の事、ご存知無い訳が有りませんよね?……あまり、俺の実家を見くびらないでください。俺にだってこの学園に俺の事を影から見てる世話役がいるんですよ?」
 そう、烏丸は一見馬鹿そうに見えるのだが、日本経済を支える烏丸財閥本家の人間なのである。烏丸自身が長男でない事と、将来烏丸が外交部門を担当する事になっている為、社会勉強も兼ねてこの学園に来ているに過ぎない。
< 23 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop