私が彼の笑顔を見るまで
 「ヤバい……。俺、美堂様や朱雀様にボコられる未来が見えた気がします……」
 ……烏丸……お前、僕の心読んだ?

タカハシ(先生)視点

 授業終わりのチャイムと同時に隣のクラスから烏丸がやって来た。
 彼は、中等部からの外部生でこの学園で唯一、一条に対して話しかけに行く勇者であると同時に、一条がまともな会話をする相手である。他の生徒には、必要最低限のそのまた最低限の会話しかしているのしか見た事がない。基本、ガン無視をしている。目の前で泣こうが喚こうが、一条にはまるで見えていないような対応をする。女子にはしているところを見た事はないが、男子に絡まれた時には、足で蹴り飛ばしているらしい。わざわざ高そうな学園の備品の目の前で蹴り飛ばしているので、蹴り飛ばされた奴は、備品の弁償で大変な事になっているらしい。
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