私が彼の笑顔を見るまで

　「……タカハシ……先生、僕をわざわざ生徒指導室に呼び出すなんて何の用事？」
　「一条、……お前、中等部のテスト手を抜き過ぎだ。一応、俺、お前の事初等部から知っているから成績とかその他の事もある程度知っているんだけど、お前、流石にやり過ぎ」
　「……別に手を抜いたつもりないですけど……実力じゃないですか？」
　「嘘をつくな、嘘を。一条がテストを受ける時、テストの最初の数十分は真剣に問題を解くけど、半分位解答欄埋めたら寝てる事、殆どの教師が知っているぞ。……後、お前の全国模試の結果、順位が毎回高いから学園の方に毎回報告が来るんだわ。お前が言わなくても勝手に模試をやっているところが教えてくれるわけ。お宅の生徒さん大変優秀ですけど、普段どのような授業をやっているんですか？？って模試を作っている業者が聞いてくるんだわ。お前が毎回模試満点だから」