③わたしの執事はときどき俺様


「いいか? よーく聞いておけよ」と前置きし、北川くんが話し始めた。


「櫻乃学園では、定期的にテストという名目でお茶会やパーティーが開催される。
そこで、日頃学んでいるマナーや作法がどれほど身についたかを、学園長や教員たちに見てもらうわけだな。

そして、そこでの評価に応じてランク付けがされるんだ。ちなみにランクは初級から5級まであるんだが……。まぁ、最上級である5級までいくペアなんてほんのごくわずかだ」


ふーん、それほど5級は難しいってことね。


「ちなみに、学園卒業時の成績が総合1位だったペアは、最優秀ペアとして学園から表彰される。 最優秀ペアになると、豪華な記念品がもらえる上に、学園の代表として学園長主催のパーティーにも招待されるんだ。この伝統ある櫻乃学園で総合1位の最優秀ペアになるなんて、こんな名誉なことはないんだからな」


ふいに、こちらを向いた北川くんと目があった。


「俺は何が何でも総合1位になって、最優秀ペアになりたいんだ。だから、お前の協力が必要不可欠というわけだ」


は!?


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