③わたしの執事はときどき俺様
「朝飯用意できてるから。さっさと制服に着替えて、ダイニングに来いよ」
「はーい」
北川くんに言われ、わたしはパジャマから櫻乃学園の制服である白のセーラー服に着替える。リボンが、桜色で可愛い。
制服に着替えたわたしがダイニングへと向かうと、コーヒーの香ばしい香りが鼻を掠めた。
「わぁ、美味しそう」
テーブルの上には、焼きたてのクロワッサンにスクランブルエッグ。コーヒーとサラダにヨーグルトが並んでいた。
「これ全部、北川くんが用意してくれたの?」
「そうだけど?」
すごい。
そういえば、わたしの制服もシワひとつなかったなと思い返しながら、わたしはクロワッサンを口にする。
「ねぇ。わたし、スクランブルエッグじゃなくてハムエッグが良かった」
「はぁ? 文句言ってないでさっさと食え」
「……はい」
って、わたしったら何を素直に返事しちゃってるんだろ。
相手は執事なのに。