③わたしの執事はときどき俺様
「はい。あの方は、綾小路 玲香様。いくつもの有名ホテルを経営する綾小路グループの社長令嬢です」
執事モードの俊くんが教えてくれた。
「あなたのこと、俊って呼んでたけど……知り合いか何か?」
「はい、まぁ……私とは小学生の頃から今まで一緒の学校でして。その……、彼女からは一方的に好意を寄せられているといいますか」
「へぇー」
そうなんだ。あの玲香って人、俊くんに気があるからわたしのことを目の敵にしてたんだ。
まったく、好きで俊くんとペアになったわけじゃないのに、入学早々厄介そうな人に目をつけられちゃったよ。