③わたしの執事はときどき俺様
︎✿ある夜の出来事。
わたしが2級にランクアップした日の夜。
「見て見て、俊くん」
わたしの制服の胸元には、2級を意味するシルバーのバッジが。
「わたし、2級になったんだよ」
「もうそれ言うの何回目だっつーの。さっきも聞いた」
「バッジ、ブロンズからシルバーになったの。ほら、いいでしょ」
「はいはい。そんな何回もバッジ見せびらかさなくて良いから。菫様、しつこいです」
わたしは初めてランクアップできたことが嬉しくて、寮の部屋に帰ってから俊くんにそのことを話していた。
「つーか、2級くらいで喜びすぎだよ。オジョーサマ」
正直自分でも、かなり浮かれていたと思う。
「でも、よく頑張ったな菫様」
ずっと鬱陶しそうにしていた俊くんから、突如ふわっと頭を撫でられた。
ちょっと、不意打ちはダメだよ俊くん。
胸がくすぐったい。
「今日は初めて菫様がランクアップしたお祝いです。何が食べたいですか?」