③わたしの執事はときどき俺様


私立櫻乃学園は、お嬢様と執事見習いが通う特別な学校だ。


お嬢様学科では、通常の高校のカリキュラムに加え、お嬢様としてのマナーや礼儀作法、茶道などを学ぶ。


一方、執事学科では執事見習いの男子たちが通常の高校のカリキュラムに加え、執事に必要な所作などを学ぶ。


そこまでは良いのだが、問題はここからだ。


入学すると、学園からランダムで選ばれたお嬢様と執事見習いがペアを組み、2人1組で一緒に行動しなければならない。


教室での席も隣同士らしいし、唯一ペアと離れるのはそれぞれの学科の専門の授業のときくらいだとか。


尚且つ櫻乃学園は全寮制の学校だから、ペアの男子と同居生活を送ることになる。


知らない男の子とふたりで一緒に暮らすだなんて、ほんとありえない……!


もしそこに通うとなれば、この家からも離れないといけなくなるし、そんなの……


「えー、やだやだ。いくらおじい様の言いつけでも、絶対にいやです」


わたしは、速攻で拒否する。


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