③わたしの執事はときどき俺様
「分かった。玉ねぎをみじん切りすれば良いのね」
よしっ! やるぞー!
俊くんに、わたしでもできるってところを見せてやるんだ。
わたしは気合いを入れてセーラー服の袖を捲ると、玉ねぎの皮を剥き始める。
えーっと、玉ねぎをみじん切りってことは……細かくすれば良いんだよね。
わたしは、玉ねぎを包丁で切り始める。
「ちょっとお前、その手の位置危ないぞ」
「え……って、痛っ!」
勢いよく玉ねぎを切っていると、突如指に痛みが走った。
「ほら、言わんこっちゃない」
「痛ァァ」
わたしはどうやら、包丁で指を切ってしまったらしい。
左手の人差し指に、じわじわと赤い血が滲む。
「おい、大丈夫か!? 指、早く水で流さないと」
わたしは怪我をした指を、俊くんに掴まれた。
「え!?」