③わたしの執事はときどき俺様
「おおー! 君が小鳥遊グループの……菫さん?」
いきなり名前を呼ばれそちらに目をやると、前方から長い顎髭が特徴の初老の男性が、笑顔でこちらへと歩いてきた。
「初めまして。私は、櫻乃学園の学園長の近衛です。君のおじいさんから話は聞いてるよ」
まさか、学園長が直々に声をかけてくれるなんて。おじい様、ほんとに知り合いだったんだ。
「たっ、小鳥遊 菫です。今日からお世話になります」
わたしは慌てて、学園長に挨拶をする。
「うむ、可愛らしいお嬢さんだ。さっそくだが菫さん、君に紹介したい人がいる。北川くん、こっちへ来なさい」
近衛学園長に呼ばれて、わたしの前に現れたのは……。