③わたしの執事はときどき俺様
サラサラの黒髪の、長身でとても綺麗な顔立ちをした同世代の男の子。
やばい、かっこいい。
「初めまして。本日より、菫様とペアを組むことになりました。執事見習いの北川 俊と申します」
そう自己紹介をし、彼は丁寧にお辞儀をする。
お辞儀をしたあとの笑顔もとっても爽やかで、第一印象は完璧。
「あれ? でも、北川ってもしかして……」
その名前にわたしは聞き覚えがあった。
「代々小鳥遊家に仕えている、執事一家じゃない?」
「はい。茂人様に仕えているのが私の祖父で、義人様に仕えておりますのが、私の父でございます」
やっぱり……!
「なんと。ペアはランダムに選んだんだが、たまたま君たちに繋がりがあったとは。もうこれはきっと運命だな。はっはっはっ」
学園長の高らかな笑い声が響く。
「それじゃあ北川くん、菫さんのことよろしく頼むぞ」
「はい」
そう言うと、学園長は去っていった。
「まさか、パパの執事の北川の息子がわたしのパートナーだなんて……」
「まさか、あのワガママ娘が俺のパートナーだとは……ついてねぇ」
ん? 今、隣からボソッと何か聞こえたような……?
わたしは首を傾ける。