⑥姫は成瀬くんに守られたい✩.*˚
第6話 騎士になってほしくて
教室に入ると、根本くんが駆け寄ってきた。ちょっと動きがおかしい。昨日倒れた時、どこか傷んだのかな?
「沙良ちゃん、ごめんね。昨日、俺が連れ出したせいで……」
「ううん、根本くんは大丈夫だった? 私だけ逃げちゃって、ごめんなさい」
「いいんだよ。俺は腰を痛めたけど……沙良ちゃんさえ無事でいてくれれば」
ふたりで席に向かう途中に成瀬くんの席を通る。通る時、成瀬くんがぼそっと呟いた。
「うそくせぇ」
私はその言葉を聞いて息を呑む。
今の言葉は、誰に言ったのか。
私か根本くん、だよね?
そして休み時間、成瀬くんは私の耳元で言った。
「根本には気をつけた方がいいぞ」って。
成瀬くんに詳しく話を聞きたかったけれど、気のせいか彼に話しかけようとすると根本くんが話しかけてきて、彼と話をするタイミングがない。
事件が起こってから姫たちの警備が厳しくなって、ずっと放課後は寮に閉じ込められた状態だし……。
でも成瀬くんと話が出来るチャンスは訪れた。
「沙良ちゃん、ごめんね。昨日、俺が連れ出したせいで……」
「ううん、根本くんは大丈夫だった? 私だけ逃げちゃって、ごめんなさい」
「いいんだよ。俺は腰を痛めたけど……沙良ちゃんさえ無事でいてくれれば」
ふたりで席に向かう途中に成瀬くんの席を通る。通る時、成瀬くんがぼそっと呟いた。
「うそくせぇ」
私はその言葉を聞いて息を呑む。
今の言葉は、誰に言ったのか。
私か根本くん、だよね?
そして休み時間、成瀬くんは私の耳元で言った。
「根本には気をつけた方がいいぞ」って。
成瀬くんに詳しく話を聞きたかったけれど、気のせいか彼に話しかけようとすると根本くんが話しかけてきて、彼と話をするタイミングがない。
事件が起こってから姫たちの警備が厳しくなって、ずっと放課後は寮に閉じ込められた状態だし……。
でも成瀬くんと話が出来るチャンスは訪れた。