⑥姫は成瀬くんに守られたい✩.*˚
今見た動画は、ふたりの男が私をさらおうとする瞬間から、私と成瀬くんが逃げる時まで映っていた。
私と根本くんが歩いていくとふたり組が私を車に連れ込もうとする。そしたら成瀬くんが現れて、殴られそうとした時彼はしゃがんでそれをかわす。
それからは私の知らない風景。当時、見るのが怖くなって私は目を閉じていた。
成瀬くんは男ふたりを倒すと、根本くんを背負い投げした。
背負い投げの瞬間は脅迫された時に見たかな。
そして私たちは逃げ、男ふたりが私たちを追いかけて……。
映像の成瀬くん、強くてカッコイイ――。
もうその時すでに、彼は私の騎士みたいだった。
映像はまだ続いていた。
『もう撮るの止めていいぞ。俺の出番ないじゃん。この動画、成瀬がヒーローで終わってるじゃん……いや、待てよ? まぁ、いいや。一応この動画、俺のスマホに送っておいて?』
根本くんの声と地面の映像を最後に映像は終わった。
「じゃあ、その動画の一部分、成瀬くんが根本くんを背負い投げする動画だけ切り取って、脅されてたってこと?」
「そう」
「でも、どうやってこの動画を手に入れたの?」
「二條を助けた時、スマホで動画撮ってたやつがいたのには気づいてたんだ」
「私は撮ってるの気がつかなかったな……」
「最初は根本の隙をみてアイツのスマホから動画こっちに送って、あわよくばアイツのスマホの動画消そうと思ってた。でも警戒して風呂入る時もずっとスマホ持ってるし……。これ撮ってたの、あの時停まってた車の運転手かな?って思ったんだ。車種と番号覚えていて、そいつを探した」
「探した? よく見つけれたね」
「チームの先輩に探すの協力してもらった」
「チーム? 何それ?」
「……」
それ以上は何も教えてくれなかった。
成瀬くんと出会ってからの1ヶ月はすごく濃くて、もっと時間が過ぎていた気がするけれど、まだ1ヶ月。
最近は前よりも話をしてくれるようになったけれど……。
まだまだ私の知らない成瀬くんが沢山ありそう。これからは沢山の、本当に沢山の成瀬くんを知りたい。
私と根本くんが歩いていくとふたり組が私を車に連れ込もうとする。そしたら成瀬くんが現れて、殴られそうとした時彼はしゃがんでそれをかわす。
それからは私の知らない風景。当時、見るのが怖くなって私は目を閉じていた。
成瀬くんは男ふたりを倒すと、根本くんを背負い投げした。
背負い投げの瞬間は脅迫された時に見たかな。
そして私たちは逃げ、男ふたりが私たちを追いかけて……。
映像の成瀬くん、強くてカッコイイ――。
もうその時すでに、彼は私の騎士みたいだった。
映像はまだ続いていた。
『もう撮るの止めていいぞ。俺の出番ないじゃん。この動画、成瀬がヒーローで終わってるじゃん……いや、待てよ? まぁ、いいや。一応この動画、俺のスマホに送っておいて?』
根本くんの声と地面の映像を最後に映像は終わった。
「じゃあ、その動画の一部分、成瀬くんが根本くんを背負い投げする動画だけ切り取って、脅されてたってこと?」
「そう」
「でも、どうやってこの動画を手に入れたの?」
「二條を助けた時、スマホで動画撮ってたやつがいたのには気づいてたんだ」
「私は撮ってるの気がつかなかったな……」
「最初は根本の隙をみてアイツのスマホから動画こっちに送って、あわよくばアイツのスマホの動画消そうと思ってた。でも警戒して風呂入る時もずっとスマホ持ってるし……。これ撮ってたの、あの時停まってた車の運転手かな?って思ったんだ。車種と番号覚えていて、そいつを探した」
「探した? よく見つけれたね」
「チームの先輩に探すの協力してもらった」
「チーム? 何それ?」
「……」
それ以上は何も教えてくれなかった。
成瀬くんと出会ってからの1ヶ月はすごく濃くて、もっと時間が過ぎていた気がするけれど、まだ1ヶ月。
最近は前よりも話をしてくれるようになったけれど……。
まだまだ私の知らない成瀬くんが沢山ありそう。これからは沢山の、本当に沢山の成瀬くんを知りたい。